家族歴とがんリスク

「家族歴」とは、血縁のあるご家族(親・きょうだい・子など)に特定の病気にかかった方がいることを指します。大腸がんや胃がんなどの消化器がんは、生活習慣や年齢に加えて、こうした家族歴も発症のリスク要因のひとつとして知られています。血縁のご家族に消化器がんの方がいる場合、家族歴のない方に比べてリスクが高まるとされていますが、これは「必ず発症する」という意味ではありません。一方で、こうしたリスクのある方は、症状が出る前の段階から定期的に検査を受けておくことが、がんやその前段階の病変の早期発見につながるとされています。ご自身やご家族のことで気になる点がある方は、一度ご相談ください。

こんな方は定期的な検査を

次のような項目に当てはまる方は、無症状であっても定期的な内視鏡検査を検討することがすすめられています。

  • ご家族(血縁者)に大腸がん・大腸ポリープの方がいる
  • ご家族(血縁者)に胃がんの方がいる
  • ピロリ菌に感染している、または感染を指摘されたことがある
  • 40歳以上で一度も胃カメラ・大腸カメラ検査を受けたことがない
  • 過去の検査で大腸ポリープや萎縮性胃炎などを指摘された
  • 生活習慣病や肥満を指摘されている
  • 便潜血陽性や血便など、気になる所見・症状がある

当てはまる項目が多い方ほど、一度しっかりと検査で確認しておくと安心です。検査の必要性や時期は人によって異なるため、迷われた場合は医師にご相談ください。

大腸がんと家族歴

大腸がんは、血縁のご家族に大腸がんの方がいる場合、家族歴のない方に比べてリスクが高まるとされています。とくに、若い年齢で大腸がんと診断されたご家族がいる場合や、複数のご家族が大腸がんにかかっている場合には、より注意が必要と考えられています。

また、ごく一部には、遺伝的な要因が強く関わる病気が知られています。代表的なものとして、リンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス大腸がん)や、若いうちから大腸に多数のポリープができる家族性大腸腺腫症(FAP)などがあります。これらは大腸がん全体の中では一部を占めるにとどまりますが、ご家族に同様の病気の方がいる場合や、若くして大腸がん・多発するポリープが見つかったご家族がいる場合には、検査の進め方を含めて医師にご相談いただくとよいでしょう。大腸の状態は大腸カメラ(大腸内視鏡)検査で直接確認でき、ポリープが見つかった場合はその場で切除できることもあります。

胃がんとピロリ・家族歴

胃がんについても、血縁のご家族に胃がんの方がいる場合はリスク要因のひとつとされています。胃がんでは、家族歴に加えてピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)の感染が重要なリスク要因として知られています。ピロリ菌は胃の慢性的な炎症(萎縮性胃炎)を引き起こし、長い経過の中で胃がんのリスクと関連するとされています。

ご家族に胃がんの方がいる、あるいはピロリ菌の感染を指摘されたことがある方は、胃カメラ(上部消化管内視鏡)検査で胃の状態を確認し、必要に応じてピロリ菌の検査・除菌を検討することがすすめられています。除菌後も胃がんのリスクがゼロになるわけではないため、定期的な検査を続けることが大切とされています。

いつから・どのくらいの間隔で受けるか

「いつから」「どのくらいの間隔で」検査を受けるべきかは、年齢や家族歴、これまでの検査結果などによって異なり、一律に決まるものではありません。一般的には、リスクのある方は早めに一度検査を受け、その結果をふまえて次回の目安を医師と相談しながら決めていく、という考え方がとられます。

  • 家族歴のある方:家族歴のない方よりも早めの検査開始や、こまめな間隔での検査を検討することがあります。
  • 前回の検査でポリープなどが見つかった方:その内容に応じて、次回の検査時期の目安が変わります。
  • ピロリ菌の感染・萎縮性胃炎がある方:胃カメラを定期的に受けることがすすめられています。

当院では、検査の結果や患者さんの状況をふまえて、次回検査の目安を個別にご説明しています。具体的な開始年齢や間隔について不安がある方は、受診時にお気軽にご相談ください。

無症状でも検査をすすめる理由

大腸がんや胃がんは、早期の段階では自覚症状が出にくいとされています。血便や腹痛、体重減少などの症状が現れたときには、病変がある程度進行していることも少なくありません。だからこそ、症状がないうちに検査を受けておくことに意味があるとされています。

とくに家族歴などのリスクがある方では、無症状のうちに内視鏡検査を受けることが、がんやその前段階の病変の早期発見につながるとされています。早い段階で見つかった場合は、体への負担の少ない治療が選択しやすいともいわれています。「症状がないから大丈夫」と先延ばしにせず、リスクのある方は一度検査を受けておくことをご検討ください。当院のこれまでの検査実績は内視鏡検査件数のページでご紹介しています。

当院の検査

当院では、消化器内視鏡を専門とする院長が、胃カメラ・大腸カメラの両方の検査を行っています。

  • 胃カメラ(上部消化管内視鏡)検査:胃・食道・十二指腸を直接観察し、必要に応じてピロリ菌の検査も行います。
  • 大腸カメラ(大腸内視鏡)検査:大腸全体を観察し、ポリープが見つかった場合はその場で切除できることもあります。
  • 鎮静剤の併用:ご希望に応じて鎮静剤を併用し、負担の軽減を図ります。
  • 土日の検査:当院は土日も検査を行っています(土日の内視鏡検査)。お仕事などで平日の受診が難しい方もご利用いただけます。

生活習慣病や肥満も消化器がんのリスク要因として触れられることがあり、当院では肥満外来での生活習慣の見直しにも対応しています。検査と合わせて、リスクを下げる取り組みについてもご相談いただけます。検査内容や監修医については院長紹介のページもご覧ください。

ご家族に大腸がん・胃がんの方がいる方、リスクが気になる方は、無症状のうちに胃カメラ・大腸カメラ検査で確認できます。国分寺駅北口から徒歩1分、土日も検査を行っています。大腸カメラ検査について詳しく見る胃カメラ検査について詳しく見る